久しぶりにプリンターで文書を印刷しようとした際に、印刷にかすれがみられることがあります。
プリンタユーティリティのクリーニングで改善しない場合に、当ブログの『プリントヘッドの洗浄』にたどり着くケースが多いようです。年賀状の時期に一気にアクセス数が増える記事なのですが、やはり長く使わないでいると発生するようですね。
プリントヘッドを洗浄する前にやってみてください
プリンターのユーティリティーの【強力クリーニング】を行ってもかすれやインク詰まりが解消されない場合の奥の手となりますので、まだ実施していない場合はプリンターユーティリティーで【強力クリーニング】を実施することをお勧めいたします。ただし、大量にインクを消費します。
プリントヘッドの洗浄とは?
決まりの文句ですが、プリントヘッドの洗浄はあくまで自己責任で行ってください。
最悪、プリントヘッドを洗浄したことによりプリントヘッドのみならず、プリンター本体が破損する(電源が入らなくなる)危険性がありますので、プリントヘッドの洗浄を行うのは捨てる前の最後の手段と考えられた方が無難です。ちなみに2012年にアフターサービスでの修理は終了しています。
プリントヘッド洗浄の成功率ですが、恐らく50%未満と思われます。
専用のクリーニング液もあるようです。楽天市場の口コミをみると☆4の評価でしたのでそのくらいの効果のようです。それほど高価なものではないのでマジックリンを新たに購入するくらいなら専用クリーナーを使ってみるのも良いかもしれません。
原理としてはインクの通り道に詰まっているであろうインクカスを取り除くのが目的となります。MP610はPGBKのみ顔料インクで他のカラー(BKやマゼンタ、シアン、イエロー)は染料インクを使用しています。染料インクは比較的溶けやすいのですが、顔料は水に溶けないのでお湯につけるだけではほとんど効果がありません。エタノールで洗浄する方法も紹介されていますが、染料インクには効果があっても顔料インクには効果がありません。界面活性剤としてのマジックリンやヘッドクリーニング液が良いようです。
それでは画像を交えて説明していきたいと思います。
【必要な道具】
- プラスドライバー
- カッターナイフ
- キッチンペーパーやティッシュ
- 専用インククリーナーやマジックリンなど界面活性剤を含む洗剤
- ビニール手袋や汚れ防止用の新聞紙
- 瞬間接着剤
- ドライヤー
【その1】プリントヘッドをプリンターから外します。
インクカートリッジの交換の手順でカバーをあけてプリントヘッドが中央に移動するのを待ちます。インクカートリッジを全て外し、右のレバーを持ち上げればプリントヘッドは簡単に外せます。
【その2】プリントヘッド裏側の2つのネジをプラスドライバーではずします。

無題
【その3】基板の四隅の黒い部分をカッターナイフで削り取ります。
(注意)基板の部分や自分の指をスライスしないでくださいね。

無題
【その4】一部ボンドがついているようですが、結構あっけなく基板が分離できます。
【その5】プリントヘッド本体とゴムの部分を洗います。
この状態のプリントヘッドには電子部品がなさそうなので、ぬるま湯でガシガシ洗っても大丈夫です。ただし、インク自体はお湯では溶けないようなので、専用のインククリーナーを使うと効果的です。ネットにもあるマジックリンを使うとお湯だけよりは良いようです。
ぬるま湯に一日じゃぶ漬けする強者もいるようです。

基板側のパーツは緑の基板に水をかけないようにして、白い板の穴をクリーニングしていきます。
わたしは、白い部分をそのままお湯につけてしまいます(笑)。
【その6】あとは元の通りに組み立てるだけです。
その2で削った黒い部分に少量の瞬間接着剤をつけて止めてしまえば問題ないと思います。
ノズルチェックパターンがきれいに復活した時は苦労も吹き飛びますが、全く実施前と変わらない場合もあります。その場合インク詰まりではなく基板の問題のようです。
ヘッドの洗浄で直る可能性が低いケースに以下のようなものがあります。
何度ヘッドクリーニングを行っても以下のような規則正しくパターンが抜ける場合はインクつまりというより、基板の回線の異常の場合が多いようですので、洗浄しても改善しないケースがほとんどです。
基板が原因と考えられるノズルチェックパターンは以下の記事を参考にしてみてください。
参考記事:ジャンクプリントヘッド 買っても大丈夫?ゴミの見極め方。
皆様の健闘を祈ります。